「もう少し記憶力がよくなればいいのに…」
と思う人は多いのではないでしょうか。
記憶力は地頭という考えも一般的ですが、記憶術を学ぶことにより、効率の良い記憶を行うことは可能です。
今日は、そんな記憶術の本の中でけっこうよいのでは!と個人的に思っている以下の本を紹介します。
目次
KGBスパイ式記憶術の概要
本書『KGBスパイ式記憶術』では、旧ソ連のスパイ組織KGBで実際に使われていた訓練法を解説していくという内容の本。
スパイ養成本ではありますが、主に記憶術について書かれています。
その内容は、報告文書の内容を記憶する方法とか、意味のない数字の羅列をとにかく多く覚えられるようになる方法といったように単純に記憶力を高める内容もあれば、テーブルの配置が一部変更された場合にその変わっている点に気が付くようになるとか、ちょっと歩いた街の中でカフェの看板が「開店中」だったかどうかというような周辺部にも注意を向ける方法とかも解説されます。
基本的な手法は、ストーリー記憶あるいは場所記憶により、画像記憶で頭の中で写真を撮るようにして記憶するというもので、その概念的にはわかるけど難しそうな手法を、エクササイズを通して実際に学んでいけるというのが本書の魅力です。
また、記憶術以外でも、内通者にさりげなくノートを渡す方法(紛れ込ませる)とか、ハンカチ落としのように仲間が残していったメモを拾う方法とかが書かれています。
記憶術を高めることで、失くしたものの場所を思い出せたりもするようになるので、スパイに興味がある人だけでなく、日々の生活でもうちょっと記憶力が高くなればいいのに!と思っている人にもオススメ。
では、以下では本書を読んで学んだことや考えたことをいくつか紹介していきます。
ストーリー記憶法と場所記憶法の違い
本書では、同じ内容をセクションごとで繰り返し学んでいきつつも、セクションがすすむにつれ、徐々に追加情報が出たり、記憶する情報の個数が増えたりして難易度が上がっていくという構成です。
そして本書の中で繰り返し登場する基礎となる2つの記憶術が、ストーリー記憶法と場所記憶法です。
この2つの違いを紹介します。
・ストーリー記憶法
ストーリー記憶法というのは、単語や数字の羅列をエピソードにして覚えてしまうというやり方。
例えば、ひよこ、にんじん、本、というような3つのワードを記憶するときに、
「ひよこに人参を与えてみたという本があった」みたいな感じでストーリーにして覚える方法になります。
3つくらいなら別にストーリーにするまでもないですが、情報が7つを超えたあたりからこのストーリー記憶法が活きてきます。
(人はチャンク7いって、7つの情報までしか記憶できない)
・場所記憶法
もう一つの手法は、場所記憶法というやり方です。
これは、例えば自分の部屋や学校など見知った場所に情報を当てはめて記憶するというやり方。
言葉でいうと意味不明ですが、自分はこっちのやり方の方がやりやすかったです。
例えば、自分の部屋に入って玄関→廊下→部屋→窓→ベランダという5つのルートがあれば、そのそれぞれを1,2,3,4,5と番号付けして、ここに覚える情報をいれてしまうという手法。
ひよこ、にんじん、本、携帯電話、花火を記憶しようとしたら、「夏のある日、玄関に入るとなぜかひよこがいて、困った私は廊下の冷蔵庫においていたにんじんを与えてみた。食べる気配がないので、部屋にある本を取りに行き部屋内は電波が悪いので窓際で電話をかうけた。ベランダから外を見ると花火が上がっていた」
ストーリーを作る点はストーリー記憶法と同じですが、数字と連携した場所に当てはめているので4番目だけ思い出したい!とかのときに引き出しやすい利点があります。
・数字とか記号の抽象情報はどうやって記憶するか
年号とか記号を含めたパスワードとか、そういう抽象的な情報を記憶したいときは、そのままではストーリーにできないので、イメージ化します。
例えば、0はボール、8は無限大みたいな感じで、擬人化してキャラ付けしてしまうイメージですね。
これもあなたにとってやりやすいやり方でよくて、例えばブリーチが好きなら十刃(エスパーダ)の0~10で当てはめてもいいし、ワンピースが好きならMr.1~Mr.10とかでよいです。
あとは#は窓格子、^は屋根みたいに記号も当てはめとくとなおよし!
日常の中で周辺視野を高めるには選挙ポスターを使う
本書の中では、狙った情報を記憶するすべの他に、一度あるいただけの街の何気ない風景だったりとか、そういったふつうの人では意識していないような情報まで幅広く記憶する方法についても書かれています。
意識する範囲を広げるためには周辺視野を広げることが重要で、そのためには、1~25(上級編は1~49)までランダムに配置されたビンゴカードのようなマス目で、目を動かさずに1から25まで数えるトレーニングが有効です。
これにより周辺視野が広がります。
そして、これは本書を読んでいるときに考えたことですが、何か最近この1~25まで書かれたものをどっかで見たなー!と思ってひらめきました。
「これ選挙前ポスターで行ける!」
ということに。
↓これ
いまなら(東京では)街中いたるところに1~49がランダムに振られた看板があるので、周辺視野を広げたい人はぜひ試してみてください。
さらに、選挙本番になったら、番号と人の顔を結び付けて覚えることで、選挙候補者マスターにもなれるかも!
その他ふつうに科学的な記憶手法も多数!
本書では、スパイとしての記憶術だけでなく、忘却曲線の話とか、何かを覚える際は覚える情報同士が干渉しないように全く違う科目を同じ日に勉強した方がいいとか、色々効率的な手法についても学ぶことができます。
ただ、この辺の話は本書では合間にちょこっと出てくる感じなので、メンタリストDaiGoの『超勉強術』のほうがわかりやすい感はありました。
(自分の場合、ちょうどその2冊を同時期に読んでいたので補完されてわかりやすかったで、ラッキーでした)
終わりに
ここまで簡単に『KGBスパイ式記憶術』の内容と学びをまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。
本書はスパイを目指すというタイトルに偽りなしのむちゃくちゃ情報量の多い著作です。
並みの記憶本を読んでも結局何すればいいかよくわからない!という人や、何かの競技などで圧倒的な記憶力が必要!という人にオススメです。
是非読んでみてください。
ではまた。よい読書ライフを!
という機会は本好きには多いかと。
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この機に他のシリーズ本の読む順番を、確認してみてはいかがでしょうか。