お疲れ様です。たkるです。
今日は「深読みする三体」というテーマで、『三体』のミステリーというか、問題提起されているかもしれない内容について自分が考えたことをまとめていく内容を書きました。
たぶん「三体」をすでに読んだ人か、あらすじを知っている人で、かつ勘が鋭く足りない部分を補完して拾ってくれる人だけにしかイマイチ伝われなさそうな内容ですが、よければお付き合いください。
動画も作りました↓
では始めていきます。
目次
文化大革命の例から内ゲバの原因について
大体革命とかの革命系って内ゲバが発生しやすいみたい。
日本でも連合赤軍とかがあさま山荘事件みたいなのを起こしていて、そこでは革命を志す者同士の音楽性の違いみたいなので仲間割れの殺し合いを山中の秘密基地みたいなのでしてた。
最後はあさま山荘に人質をとって立てこもり、不用意に近づいた一般人、1名の死者を出しつつ鎮圧された。
で、そんな感じの流れが中国の文化大革命でも起こっていたというのが三体という作品を読むとわかります。
内ゲバって日本だけの特殊文化なのかと思ったら、どこでも割とあるみたい。
で、これなんで起こるんだろうと考えたら、うまくいかないのは革命を志す純度が足りないからだ。⇨勝つためにはさらにストイックにいくしかない⇨ストイックじゃないやつは殺せ!みたいな理論見たい。
大体そういう時は根本が間違っているからあんまり意味ない。
カルト教団とかが極論化するのも多分これのせい。
外からの意見を取り入れて現代化して解決策を客観的に考える方が現実的だけどそれができなくなるんだと思う。
そんな感じのところを文化大革命のシーンを描くことで提起してるかも?
根本が崩れた科学は無力。常識が崩壊しても生きられるか
他には中盤からは科学者の変死事件みたいなのが描かれます。
で、これが科学に絶望した、みたいなことを言って自殺する人がいっぱいいて、なんでなのかというと大元の大前提が崩れたっぽい。
例えば物理学は太陽が一つであるから引力が発生しているけど、これ確かに太陽が2つ3つ現れる三体世界という例外が出たら崩れそう。
そういう時に演繹法で物事を積み上げてきた科学者とかは根本から崩れて死ぬ人いそう。
そんな感じで時代の変化というか、新しい概念についていけず、既存の価値観とともに死んでいく人はこれからも出そう。
ここも提起しているかも?
三体世界は正社員のいない世界?
で、後半からは三体世界という遠い宇宙の先の文明との交流が描かれます。
この世界がかなり特殊で、太陽は一つじゃないし、院政期は衝突するしで非常に過酷。
文明は何度も滅び、そのたびに復活するというスタイルで成長している。
太陽が安定している恒紀と太陽が荒ぶる乱紀が絶えず変化し、この三体世界の住人たちは乱紀のときには自らの身体の水分を全て無くし、仮死状態に陥る脱水という概念が使える。
これにより難を逃れ、再び恒紀に入ったら水をかけて復活するというもの。
この辺の判断は主にボスが行なっていて、もしかすると、この恒紀と乱紀というのは好景気と不況のたとえかもしれなくて、不況になったら正社員をガシガシ切っていくのを正当化できる三体世界が訪れつつある、みたいなのを表現しているのかも?
あと三体世界で、人を用いてコンピューター回路を作る話とかもあるけど、これも人がやっている細かい作業をAIとかで分解して組み合わせればできるようになるよーという話なのかも。
個人という概念はなく、種としての発展のみを目指すべき判断について
三体世界では個人という概念は基本的にはなく、種全体がどう生きのぎて発展するか、という視点のみで物事が判断される。
なので裁判にも有罪か無罪かしかなくて、有罪なら全員処刑。
地球との交信で一人の三体人がミスを犯した時も関係部門がトップから末端まで全て処理された。
実際、種全体の保存という面で考えたときに、例えばエボラ出血熱などがパンデミック化したらかかった人をガンガン処理していく方が全体の生存率が上がる、みたいなところを提起しているもかもしれない?
科学の発展が止まった社会はやがて滅びる
そして最後に三体では三体人をリスペクトするテロ集団を主人公らがナノマテリアルのワイヤーで船ごと切り刻み、なんとか制圧して終わりとなるんですが、入手した資料によれば三体人は450年後に地球に到達する。
そしてすでに三体人の策略により、三体人の脅威となる分野の科学技術の発展は抑えられているという状況だ。
というところで第1巻が終了します。
これがもしかしたら、現代社会と照らし合わせているのかもしれなくて、ある程度豊かになった人類が、科学の発展を辞めて人間同士で争っていたらそのうち三体人が来て滅ぶぞ、みたいなメッセージなのかも?
三体人とは、隕石なのか、環境問題なのか、異星人なのかは知らんけど。
終わりに
そんな感じで読み方次第で色々考えられる作品かなと思いました。
多分もっと深く読んでいる人なら作者の意図が読み取れているんだと思うんですが、自分には科学技術の話が難しすぎて読み飛ばしながら読んだので、ほぼ妄想みたいな読みになってしまいました。
まあ、読めば少なくとも何か思うところが浮かんでくるだけの力量のある作品なので、是非読んでみてください。
ではまた。良い読書ライフを。
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