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「さよならの言い方なんて知らない。」第2巻の感想レビュー

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「ウォータ&ビスケットのテーマ2」改め、「さよならの言い方なんて知らない。」第2巻の感想レビューを行なっていきます。

「さよならの言い方なんて知らない。」前巻までのあらすじ

まずは簡単にあらすじを。こっちにも書いているので、より詳細を知りたい人はこちらをどうぞ。

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潮見崎という異世界に飛ばされ、チームに分かれての能力ありの殺し合いをすることになった主人公たち。

弱小チーム「キネマ倶楽部」に所属し、強豪チーム「平穏な国」のアリ踏みアズチを退ける。

そして同じく平穏な国に所属する現実世界での親友・トーマに再会するが、

トーマによりナイフで腹を刺されてしまい・・・

というすごい「えっ?」みたいなところで終わっての第2巻です。

こちらでは、主人公は死んでいないくて、実は全て策の上みたいなところから物語が再開します。

では、第2巻のあらすじを簡単に紹介していきます。

第1巻↓

 

「さよならの言い方なんて知らない」第2巻のあらすじ

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ミケ帝国に逃げ込んだキネマ倶楽部の面々は、香の描いた作戦により、ブロドックスと平穏な国がつながっている可能性を知る。

そして一方でトーマにより平穏な国に連れ去られた香はもう一つの強豪「Port」の出方を予測し・・・

という感じ。

今回は、前巻ではマップ上でしか出てこなかった3つの強豪チームが勢ぞろいし、潮見崎全体を巻き込んだ戦いが始まります。

ミケ帝国がなぜ中堅なのか、とかそれぞれのチームの特徴とかキャラも出てきて戦略性がさらに高まります。

超面白くて、2時間くらいかけて一気読みした作品です。

では以下では、感想とかそれぞれのチームの相関とかを書いていきます。(ネタバレありなので読了者のみ)

 

さよならの言い方なんて知らない第1巻第2巻の感想

ではここからは感想を書いていきます。ちょっとだけネタバレがあったりするので、大丈夫だとは思いますが一応ご注意ください。

本書(第1巻、2巻通して)を読んですごいなと思ったのが以下の3点でした。

・非日常の中に日常が残っている世界観

・戦略性の高いルールとそれを生かした伏線とプロット

・作品の中で作品を引用する!ウォーターアンドビスケットの引用という手法

それぞれ紹介していきます。

非日常の中に日常が残っている世界観

まずすごいなと思ったのがその世界観の完成度の高さ。

異世界に転生しているように思いつつも、そこが本当に異世界なのか、現実とリンクしていないのか、という点が絶妙な線引きで描かれます。

具体的には、異世界では軽視されがちな食糧問題について詳しく描かれていたり、殺した人間が本当に現実世界に戻るのか、みたいなところがかなり詳細に描かれます。

異世界転生するとそっちの常識に染まりがちですが、そこをあえて矛盾を突くような世界観の描き方、階段島シリーズもそうですが、

微妙に現実とつながった異世界の箱庭みたいなのが描かれます。

 

戦略性の高いルール

そしてこの潮見崎のルールがまたかなり深い。

最初はごちゃごちゃルールがいっぱいあって覚えきれぬー!もっと簡略でもおいいのでは?と思ったんですが、その後のストーリー展開を考えると。

例外を潰すためにもこのくらいの複雑さは必要なんだろうなと思う。

そして、そのルールの中で思惑の読み合いが熱い。

国同士の読み合いを詳細に描いた作品って実はあんまりなくて、それを描きつつ、スピーディーに展開するバトルとかも同時に描かれていて、

アニメとかになってもかなり面白そうだなと思いました。

これアニメ化したら絶対流行る。

ウォーターアンドビスケットの引用

そして3つ目にすごいのが主人公たちの価値観です。

作り込まれた世界とルールで殺し合いというのはまだまだよくあるジャンルかなと思うのですが、その中で本書が際立っているのが、

キャラたちの考え方。

作中では「ウォーターアンドビスケット」という作品をもとに、それを好きな3人というくくりで主人公たちのつながりが描かれますが、この「ウォーターアンドビスケット」という作品の見方や好きなキャラ、シーンなどの違いによりキャラを書き分けています。

香屋歩(ウォーター派)・・・ウォーターに憧れる

トーマ(ウォーター派)・・・ウォーターに憧れているが自分はその器でないと悟っている

秋穂栞(ビスケット派)・・・ビスケットに憧れるが大切な人から見捨てて欲しいとは思わない

作品の中で架空の作品を引用し、それを元に逆にキャラを描く、という手法はこの作品の独自のものだなと思います。

とまあごちゃごちゃとポイントを書いたわけなんですが、要は面白いというところを伝えたい。

キングダムのような軍事戦略の面白さと、階段島シリーズのようなキャラと世界観の魅力、その両面を持った作品がこの「さよならの言い方なんて知らない」です。

タイトルに関しては、「ウォーター&ビスケットのテーマ」の方が内容を端的に表している感じはするんだけど、

やっぱりそこは圧力とかあるんだろうか?

もっとよく知るための雑学!潮見崎のチーム

では続いては潮見崎のチームについて紹介します。

潮見崎にはチームに分かれて戦いを行なっています。

チームの上限数やチームの人数に制限はなく、最小1人からでもOK。

大きなチームは領土を一気に取られるリスクを避けるため、チームを便宜上分割して運用することも多い。

では、以下に潮見崎のチームを記していきます。

北の大手チーム:平穏な国

北に位置する宗教国家。聖女・リリィを神として、それに使える9人の聖騎士たちがそれぞれの軍団を管理する。

面積は1位、ポイント数2位の大手チーム。

体制はこんな感じ

聖女・・・リリィ

語り部・・・シモン

第一聖騎士・・・高路木(コウロギ)

・・・

第八聖騎士・・・ウォーター

西の最大手チーム:Port

東に位置する軍事チーム。メンバーを市民と軍隊に分けて、軍隊はそれぞれ1万ポイントを越す強豪となる。

ポイント数1位の最大手だが、議会制で内部の揉め事も多い。

・ユーリィ・・・現状のナンバーワン、軽男風。

・ホミニニ・・・ナンバー2、ユーリーの対抗馬

・タリホー・・・ユーリィの参謀

・イド・・・謎の老人、ナンバー3?

メンバー1人の大手チーム:潮見崎駅南改札前

メンバー数たった一人の特殊チーム。

月生・・・潮見崎駅南改札前たった一人のメンバー。ゲーム開始時からいると噂される

エリアは駅のみで最も小さいが、総ポイント数は第3位。一人で30万ポイントくらい持っているのは個人としては圧倒的に1位!

・・・という大手チーム。この潮見崎駅前が予想外すぎた。地図見てもわからないはずだわ笑

この3つが大手で、ミケ帝国とブルドックスは中堅となる模様。なるほどね

南に位置する中堅チーム:ミケ帝国

南に位置する中堅チーム。黒猫、白猫、ミケの3トップの三権分立制。黒猫が外交+戦闘、コゲが内政、白猫が象徴を担当する。

白猫・・・肉体強化。もともと強いけど戦うのはそんな好きじゃない。象徴担当

黒猫・・・肉体強化。外交担当。

コゲ・・・探索者。内政担当。

肉体強化(ブースト)を重視し、ゲリラ戦で戦うスタイルを得意とするチーム。

でも元々は白猫のワンマンチーム。白猫のカリスマで集まったチームなので、三権分立制だけど割と仲良し。

中央の中堅チーム:ブルドックス

中央部に位置する中堅チーム。

ミケ帝国に宣戦布告を繰り返す。

内部事情は不明ですが、平穏な国とつながっていると噂あり。

西の弱小チーム:キネマ倶楽部

西に位置する弱小チーム。

メンバー数は10人以下と少数ながらも結束は固く、リーダーのキドを中心に射撃メインの戦いを得意とする。

こんな感じです。

終わりに

ここまで「さよならの言い方なんて知らない」についてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。

自分はこの作品、「ウォータービスケットのテーマ」から改題されるという話を聞いて、じゃあ読んでみるかーと思ってなんとなく読んでみたら、すごく面白くて一気読みしてしまいました。

同じ著者の階段島シリーズとかも好きなんですが、こっちの方が動きがスピーディーなのでより気に入っています。

階段島シリーズの世界観が好きで、さらにスピード感のある作品を読みたいという人は是非読んでみてください。

きっと楽しめるはずです。

ではまた、良い読書ライフを!

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