「タード・オン・ザ・ラン」でこのミス大賞銀賞受賞、『流』で直木賞を受賞している作家の東山彰良さんの作品として、『ブラックライダー』と『罪の終わり』という2作品があります。
一見すると別々のお話しとしても読める2作品ですが、実は『ブラックライダー』の前日譚が『罪の終わり』というつながりがあるとのことで、今日はこれらの作品を紹介していきたいと思います。
東山彰良『ブラックライダー』とは
まずは、2014年に第67回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補にもノミネートされた『ブラックライダー』という作品から紹介していきます。
この『ブラックライダー』という作品ですが、かなり世界観は独特です。
設定は地球の歴史が一度終わった後の新世界で、人を食料とすることを許すものと、それを許さないものの戦いや、異形の怪物などが登場します。
弱肉強食な世紀末の世界観で、本書を読むと何が正しくて何が間違っているのか、という価値観がよくわからなくなるようなそんなパワーがある作品です。
スティーブン・キングの『ダークタワー』に似ているという人もいるようですね。
確かに世紀末な感じで価値観のひっくり返っている感じは似ていますが、個人的には『ダークタワー』よりは『ブラックライダー』のほうが、まだテーマがわかりやすいかなと思います。
ちなみにブラックライダーというと、1986年のアメリカの映画にも同名のものがありますが、こちらは情報を盗み出した元CIA職員とそれを追いかける追跡者という設定のカーアクション映画なので特に関連性はないみたいです。
『ブラックライダー』前日譚『罪の終わり』とは?
では、続いては『ブラックライダー』の前日譚である『罪の終わり』について紹介していきます。
まず前提として『罪の終わり』の世界観は、小惑星衝突後の地球ということで『ブラックライダー』と同じ世界線となります。
しかし、時間軸的にはもう少し前で、既存の文化や価値観が破壊され何も信じられなく世界で、ナサニエル・ヘイレンという青年が黒騎士(神)として伝説化されるまでの過程について描かれています。
ブラックライダーを読んでいなくても楽しめるように作られてはいますが、ブラックライダーを読んでから読むと、こういう流れでこの世界観が作られたのかーというのを知れてより楽しめるかなと思います。
むしろ本作はブラックライダーの解説編みたいな意味合いもあって、より読みやすく作られているので、ブラックライダーを読んで、ちょっとついていけない点があったわ、という人も本書を読むと理解が深まるのでオススメです。
ちょくちょく聖書を意識したような描写があるので、キリスト教の人は衝撃を受けることもあるかもなのでご注意を。
終わりに:読む順番はどっちからでもよい
時系列的には『罪の終わり』⇒『ブラックライダー』、刊行順では『ブラックライダー』⇒『罪の終わり』となっていますが、読む順番としてはどっちを先に読んでもいいかなと思います。
どちらも世紀末系の世界観なので、現代社会に閉塞感を感じたときとかに読むと、「いうてまだまだ現代社会も捨てたものではないな」と思えるはずです。
人生に行き詰ったときなどにオススメです。
あと同じ著者の作品だと、自分は未読なんですが『流』が圧倒的におすすめという話を友人から聞いたので、こちらもオススメです。
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