アメリカのベストセラー『チーズはどこへ消えた?』
その続編が登場したとのことでさっそく読んでみました。
前作『チーズはどこへ消えた』では、比較的変化に柔軟で、時代の流れに乗って迷宮を出たホーが主人公でしたが、本作『迷路の外には何がある?』では迷宮に残ることを選んだヘムを主人公としています。
変わらなきゃいけないのは分かるけど、そんなにすぐには変われない!という人にオススメです。
変われなかったヘムの物語
では、ここから本書の内容をまとめていきます。
まずは、本書の制作秘話の話から。著者は作家としてだけでなく起業セミナーの主催などでも有名ですが、そのセミナーの中で『チーズはどこへ消えた?』の話をすると、ヘムに最も親近感を抱く人が意外に多いことがわかったといいます。
誰もがすぐに変われるわけではない。そして、変わるスピードが緩やかな人のための物語も必要だと考え、本書が生まれたそうです。
実際、本書を読んでいくと、タイミングを逃したように感じる人の心の動きがかなりリアルに描かれていることがわかります。
『最初は腹が立ち、それから腹が減った。そしてホープに出会った』
例えば、ホーが迷宮を後にした後のヘムの心の動きなどが秀逸だなと思います。
前巻で、ホーが迷宮を出る選択をし、ヘムは迷宮に残る選択をした後の心の動きを本書では以下のように描かれます。
1.ホーがいなくなってすぐ
⇒何日かしたらヘムも戻ってきて全て元どおりになるだろう
2.しばらくして
⇒ヘムが帰ってこないのは恩知らずだ、自分のことを軽んじている、親友だと思っていたのに裏切られた
3.さらにして
⇒どうして自分はあの時動けなかったのかという後悔
4.最後に
⇒腹が減り、ホーがいなくなったことを受け入れて日常を再開する
ちきってチャンスに乗り切れずにいて、その時に違う選択をした友人が成功した場合とかも同じ動きになりそうですね。
変われない人が変わるための段階的な方法
本書では、変化を感じてパッションで行動できるホーのような人間でない人、チャンスは感じたけどリスクも考えて行動に踏み出せないというような要人深い人、いわゆるヘムのような人が変わるための方法が書かれています。
特に本書では、信念という概念を「信念は自分が真実だと思い込むこと」として信念から自分を変えていく方法を解説されています。
信念に対する前提としては、以下の2つを理解することが重要です。
1.信念を変えても自分は無くならない。
2.あなたとあなたの信念はイコールではなく、あなたは自分の信念を選び取ることができる
食べ物はチーズだけだと思っていたヘムが、リンゴを食べても死ななかった話とかそういった具体的な例を交えつつ、信念を変えていきます。
迷路から抜け出す方法
本書は童話形式ですが、格言が随所にちりばめられており、まとめると以下のステップで変えていくことになります。
・自分の信念に気づく
・信念を疑う
・役に立たない部分を捨てる
・迷路の外に目を向ける
・新しい真剣を得る
・信念に向けて走り出す
簡単に言うと、一気に自分を変えるのではなく、常識を少しずつ入れ替えて、最終的に動けるようになろう!というやり方です。
詳しい話は本書で書かれていますが、常識を時代に合わせて少しずつアップデートして最適な信念を持つことの重要性が語られます。
終わりに
ここまで『迷路の外には何がある』の簡単な概要と感想をまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。
直観でパッと動ける人は第1巻を、しっかり考えて完全に理解したうえで動けるようになるという人は第2巻を読むとよいのかなと思います。
いずれにしても、まったく変化せずにいることは逆に難しいので、変化の仕方を学ぶ本として現代人必読の1冊!
第1巻を読んで、「いや、そんなにすぐには変われぬよ」と思った人に特にオススメです。
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