本記事では谷崎潤一郎作品の読む順番を解説します。
- 1位:『春琴抄』
- 2位:「痴人の愛」
- 3位:「細雪」
また、合わせてオススメな作家や作風なども解説します。よろしくお願いします。
目次
谷崎潤一郎とは?作風やジャンル、特徴を解説
まずは作風についてファンの皆さんに意見を聞いてみました。
◆谷崎潤一郎の作風や魅力を教えて!
小説という文章のみ成立する分野で、独特の耽美世界をみごとに表現している作家で、マニアックなムードが魅力です。
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とにかく文章がうまい。川が流れるようなスラスラとした文章を美しく書く。書くというより描くような文体。
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表現されている文章が綺麗で、昔の作品にもかかわらず、エロティズムに溢れており、出てくる女性たちの生き様が奔放でおもしろいところ。
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作品としては結構好き嫌いが分かれると思います。でも私は谷崎潤一郎の作品のどこか妖艶な、はたまたどこか君の悪さを感じる言葉遣い、作風が好きです。
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何作か読んでいますが、作品の切れが良いと思います。恋愛ものや悲劇でも変にドロドロしていない。
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谷崎潤一郎の文体は全体的に陰鬱な空気がただよっていて、仄暗いところ。
・・・色々な意見があって面白いですね。主に恋愛系が得意で、作品によって内容はけっこう異なります。
では、どこから読めばいいのか。
以下でいくつかオススメを紹介します。
谷崎潤一郎作品の読む順番!初心者におすすめな小説はこれだ!
というわけで初心者がまずべきオススメ本を紹介します。
順番面での注意点は以下の通り。
「人魚の嘆き」を読んでから「金色の死」を読むことをおすすめします。
(ここはこの順番がオススメ)
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やはり一番最初は、最初に書かれた刺青から読むとよいと思う。その後は、痴人の愛、春琴抄、卍、細雪と読み進めていく中で、登場する様々な女性の生き様を比較すると面白い。
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最初から好き嫌いが分かれるような難しそうなものではなく谷崎潤一郎作品として有名なものから読んでいった方がいい
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まずは、短い作品から読んでみるとか、文豪の作品集から読み始めるとか、他の作家との違いを見つけるのが楽しいと思います。
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普段から本を読まない人にとっては、少し前の時代の人というだけで抵抗感があるかもしれないので、とりあえず名前は知っている作品や、薄いと感じる長さ、レビューなどをよく見て手に取ったら良いかと思います。
・・色々な意見があるので、筆者の方で独断で順位を付けました。
では、オススメをみていきましょう。
『春琴抄』
まずは一番人気だった『春琴抄』です。
この本を推している有識者のコメントは以下の通り。
やはり『春琴抄』でしょうか。名作中の名作のため、一度は手に取って欲しい作品です。これを読めば谷崎の雰囲気が掴めると思います。
私の中では「春琴抄」が読みやすいと思います。話は琴の師匠の春琴に佐助という男性が恋をする話なのですが、話の最後近くのストーリー展開が面白いし、わかりやすい。
春琴子抄幼くして病気で失明した少女が三味線に生きがいを見いだすとともに、少女を支える奉公人との関係が面白いため。
春琴妙です。一度読んだら忘れられないくらいの強いインパクトがあるからです。常人には想像できないような男女の愛を感じます。
「人魚の嘆き」
この本を推している有識者のコメントは以下の通り。
一見、童話(人魚姫のような人間と人魚の恋物語)風に書かれた短編のため、読みやすく短いながら谷崎らしさがつまっているからです。
「痴人の愛」
続いては「痴人の愛」です。主人公がサラリーマンなので現代人でも入っていきやすいかも!
この本を推している有識者のコメントは以下の通り。
痴人の愛。何の変哲もない普通のサラリーマンが、とある少女と出会い、共同生活を送るうちに少女の魅力に取り憑かれた、少女のいいなりに堕ちていく様がとても面白いため。
『痴人の愛』です。そこそこの分量はありますが、面白すぎて一気に読んでしまいました。奈緒美のやっていることは意味不明で無茶苦茶なのに可愛らしく思えてしまい、主人公もバカだなぁと思いつつ読み進めてしまうのは、谷崎の文章力によるものだと思います。
「細雪」
続いては国語の教科書などでも取り上げられがちな「細雪」です。
触れたことのある方も多いのではないでしょうか。
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オーソドックスに一番有名な細雪かなと思います。第二次世界大戦頃の4人の女性の生き方、生きづらさなどを緻密にえがいてありおすすめです。
色々ありますが、初心者におすすめするなら細雪がいいと思います。美人3姉妹の婚活、結婚話として共感できることも多いです。
「金色の死」
芸術と美と命と死、そして友情といったモチーフをからめた珠玉の短編。主人公「私」は友である「岡村君」のことを、芸術の象徴のような存在だと思っているのですが、衝撃のラスト含め、最も好きな谷崎作品です。
傑作集の「魔術師」
色々な作品を試したい人は傑作集を読むのもありです。
谷崎潤一郎妖美幻想傑作集。理由は谷崎潤一郎の魅力として語った君の悪さ、妖艶さがつまった作品集だからです。
「刺青」
「刺青」が好きです。この作品は明治40年位に発行になっていたのですが、刺激の少ない当時の庶民にとってはとても刺激的で官能的な作品であったと推測されます。この作品も後半の女性の心理状態の変化が面白いです。
谷崎潤一郎と似た作家と作品!合わせてオススメ
合わせてオススメな作家を紹介します。
江戸川乱歩の「孤島の鬼」
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江戸川乱歩の「孤島の鬼」をおすすめします。理由は、耽美と怪奇をミックスさせた作風が谷崎作品が心に響いた人になら、響く可能性が高いと思われるからです。
三島由紀夫
三島由紀夫です。私は谷崎と三島が大好きで、二人の共通点は文章の上手さです。三島は谷崎より力強く、谷崎は三島より曲線的な美が詰まっていると思います。
三島由紀夫の潮騒谷崎潤一郎に影響を受けたと言われる三島由紀夫の作品で、男女の恋愛模様が美しいから。
佐藤春夫
佐藤春夫ですかね。この作家との間には、奥さんを貰う貰わないとかいろいろあったので。そんなことを想像しながら読むと面白いと思います。
太宰治
太宰治です。同じ時代ですし、厭世的、とか耽美、とかが好きならぜひ、です。
簡単ですが、以上が谷崎潤一郎のオススメでした。
有名な古典作家の中ではかなり読みやすい作家です。ぜひ読んでみてください。
ではまた。良い読書ライフを!
という機会は本好きには多いかと。
そこで本サイトでは300シリーズの小説のあらすじと読む順番を一覧で紹介しました。
さらに番外編情報、ドラマ化情報、漫画化情報も併せてまとめました!
この機に他のシリーズ本の読む順番を、確認してみてはいかがでしょうか。