『これからの正義の話をしよう』などで知られるマイケルサンデル氏の新作『実力も運のうち 能力主義は正義か?』についてレビューします。
内容としては、近年のアメリカ社会における実力主義に関する哲学的命題を議論していくという内容です。
では以下で詳しく見ていきましょう。
目次
『実力も運のうち 能力主義は正義か?』とは格差社会の哲学本である
まずは本書の概要を簡単に紹介します。
本書ではアメリカを渦巻く各社社会に焦点をあてた1冊となっています。
元々著者のマイケルサンデル氏は、
現代社会において通用する様々な正義の哲学を議論する
というスタイルの著作を得意としている学者です。
前作の『これからの正義の話をしよう』では、
ハリケーンに見舞われた地域において需要と供給のマッチングにのっとって、木を切る仕事の料金を10倍にしてよいか
すでに差別のある状態で、それを是正するために逆差別をするのはありか(アファーマティブアクションのぜひ)
などの議論がなされています。
そのテーマの対象が今回は格差と実力主義!という感じです。
『実力も運のうち 能力主義は正義か?』の感想、書評レビュー
ここからはレビューです。まだ読み途中なので自分が読み進めるにつれ増えていきます。
序章
まず序章では本書の議論の動機付けとしてアメリカ社会の現状について語られます。
その中で面白かったのは、
通気口入学という驚異の裏口入学を斡旋していた入試コンサルタントの話でした。
8年で2700万ドルもの収益を違法に得たこのコンサルタントは、試験官を買収し偽の答案用紙を用意したり、実際に経験のないスポーツで入試を通したりをしていたそう。
これはさすがに・・・!ってなって捕まったそうですが、一方でアメリカだと入試にはお金が必要で、親が多額の寄付をしたら子が優遇されるのは当たり前みたいな風潮もあるそうです。
・・・その辺の日米の違い!みたいなのが知れる点がすでに面白いなと思いました。
あとは親の気がかりが子供が裕福に暮らせるようにするだけなら「子供に信託ファンドでも与えておけばいい」は確かになと思いました。(そうでなくて、競争に勝利した自信みたいなのを与えたいから裏口でも入試を通すという流れ)
第1章:学歴主義は実力か?
続いて第1章では、学歴と実力主義の関係性について議論されます。
具体的には、
学歴が高い=年収が高い仕事に就ける=裕福な家庭の出身が多い
という流れの中で、実力がどこまで自分の力なのかという点が主題の1つです。
これとは別に、そもそも論で「実力が高いと偉いのか問題」みたいなところまで発展しているのも面白い点かなと思いました。
議論の内容に関しては本書をぜひ読んでほしいのですが、自分が感じたこととしては、
トランプ大統領の勝利の原因には、実力主義に異を唱える層にリーチしたため
というのがあるんだなと。
トランプは「黒人が権利を手にするのが好きではない」「女性が…職に就くのが好きではない」人びとから支持を集めたという。クリントンはグローバリゼーションの勝者の表を獲得したが、トランプは敗者の票を得た
自分わりと実力主義に近い考え方で、(ある程度以上場が整っている人であれば)「あとは実力勝負なのでは?」と思いがちだったんですが、
「やればできる」は諸刃の剣なんだなということ
選挙は(GDP比でなく)数を競うゲームなんだなということ
を感じました。
第2章以降はそのうち
第二章以降はそのうち読んだら書きます。
たぶんこれけっこう面白い本なオーラがするので、買いでよいんじゃないかと思います。(ファクトフルネス以来で、たぶん流行る気配あります)
『実力も運のうち 能力主義は正義か?』をお得に買う方法(Audibleが安い)
ちなみに本書については、単行本のみしか出ていません。
なので定価で買うと2420円とけっこう高いです。
正義を議論するためならば!と変える人はOKですが、今月金欠なんよなー!という人もいるかと思います。
そんな人は現状一番安いのがAudible版です。
AmazonAudibleは月額1500円で好きな本1冊(+毎月のボーナス)を聞けるサービス。
つまり1500円でいけて最安と言えます。
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そんな感じです!自分は最近殆ど家を出ないので電子書籍版を買いました。
まだ読み途中だけど現状★4~5を付けています。(上位10%)
おすすめです。ではまた。良い読書ライフを!
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