階段島シリーズ2冊目、『その白さえ嘘だとしても』を読んだので、その感想を書いていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
階段島シリーズ2冊目、『その白さえ嘘だとしても』のあらすじ
まずは簡単なあらすじです。
『その白さえ嘘だとしても』は、前巻『いなくなれ、群青』に続く階段島シリーズ2冊目の作品。
本巻で発生する事件自体は独立ですが、時系列的には前巻から繋がっていて、前巻が秋でしたが、今回は冬、クリスマス前の時期となります。
あらすじとしては捨てられた人の行き着く階段島で、突如ネット通販が使えなくなる事態が発生。
ハッカーの仕業では?という噂を元に七草と由宇が事件の解決のために奔走します。
そのほかにも恋人を強引に作り出すサンタクロース、絶対に開催できない音楽会など、階段島にはクリスマスにまつわる七不思議があるようで・・・、階段島の高校生メンバーは色々と事件の解決に大忙し!
というお話。
『その白さえ嘘だとしても』の感想!ヒーローになることとは?
ここからはちょっとだけネタバレありの感想になります。
第1巻では主に七草と真辺由宇が中心でしたが、本書ではそのほかの登場人物にも焦点が当たります。
例えば、本館で特に重要となるのが、佐々岡と水谷の2人。
佐々岡と水谷はともに七草たちのクラスメイトで、佐々岡は調子の良い男子高校生、水谷はクラスの学級委員長をしている女子高生です。
一見すると普通な二人ですが、階段島に来ているということで、やはり捨てたい部分がある模様。
ヒーローになりたい佐々岡と、いい人でありたい水谷は、クリスマスの事件を通して真辺由宇の生き様に対比されることになります。
その白さえ、嘘だったとしてもの名言たち
と言ってもよく伝わらないかと思うので、いくつか特徴的な言葉をつなげて紹介していきます。
「どうしてこんなに、希望がわかりづらいんだろう?敵が具体的でないんだろう」
ヒーローになりたい佐々岡は漠然とした課題にため息を漏らす
「少し意外だった。先生は私が廊下を綺麗にするために掃除をしていると思い込んでいた。私は先生の見たいものを映す鏡なのに・・・」
優等生の水谷もまた悩みを抱えている。
しかしそんな迷いを抱える2人に対し、真辺由宇の判断はシンプルで、迷いがない。
七草は、「何を守り、何と戦うかを決めるのがヒーローの最初の仕事だ」と思う。真辺由宇ならそんなところで迷わない。
「とりあえず、信じることに決めている。」
「信じるって何をですか?」
「目に見えるものだよ。この手紙には緊急って書いてあるから、急がないと」
その答えは単純で、馬鹿げていて、水谷には反論できなかった。
色々あったクリスマスイブ当日、目当てのアイテムを手に入れた佐々岡は、七草から騒動の真因をきき、結局は無駄足だったと知り、女子寮の扉の前で立ち止まる。
僕が佐々岡をヒーローと呼べない理由は、ただ一つで。
と七草は思う。
最後には彼は、諦めてしまえるからだ。今みたいに、俯いて、しゃがみこんで、立ち止まってしまえるからだ。
僕は真辺由宇の影響を強く受けすぎているのだろう。僕のヒーローは立ち止まらない。
「嘘は見破られた方が楽だよ。そりゃ、一時は苦しいかもしれないけど、放っていたらずっと苦しいままだから。」
そういって前に出ることができる。ヒーローは自分が傷つくこと、苦労することを厭わない。
終わりに
ここまで階段島シリーズ第2巻「その白さえ、嘘だったとしても」の感想とか概要をまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。
テイストとしては第1巻と同様に、島で発生した事件を解決していく中でちょっとだけ魔女の真相に近づいていくというものです。
第1巻を楽しめた人は第2巻もきっと楽しめるはずなので、是非読んでみてください。
ではまた。良い読書ライフを。
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