推理カルテシリーズなどで知られる知念実希人さんの著作『神酒クリニックで乾杯を』がドラマ化されました。
今日は、ドラマ化に合わせて原作も読み始めようかなという人に向けて、原作小説の読む順番をまとめていきます。
とても読みやすく面白い本でした。
ではそんな「神酒クリニックで乾杯をシリーズ」の、まずはあらすじから見ていきましょう!
目次
知念実希人『神酒クリニックで乾杯を』シリーズとは?キャラとかテイストとかあらすじとか!
『神酒クリニックで乾杯を』シリーズとは、知念実希人さんの小説シリーズです。
ストーリーとしては、腕は立つが表舞台には立てないブラックジャックのような闇医者が集まった病院「神酒クリニック」の日常模様をつづったお話となっています。
主人公は外科医の九十九勝巳という人物で、医療事故により勤め先を失ったところに知人の紹介により神酒クリニックへ移籍します。そして神酒クリニックの個性的な面々に囲まれ戸惑いながらも、VIPの治療をこなしていきます。
神酒クリニックでは、全員が医師としての腕が確かなのは当然として、それぞれさらに特殊能力をもっているという設定が新しいです。
能力はこんな感じ↓
- 九十九勝己…主人公。格闘技プロライセンス持ち。あと奇術ができる。
- 神酒章一郎…神酒クリニックのオーナーにして天才外科医。格闘技は勝己より強い。
- 一ノ瀬真美…神酒クリニックのナース。ドライビングテクニックが高い。
- 夕月ゆかり…神酒クリニックの産婦人科医。声帯模写ができる。
- 黒宮智人…神酒クリニックの内科医。超人的な記憶力・情報解析力を持つ。あとイケメン。
- 天久翼…神酒クリニックの精神科医。人の心の中を読める。
で、こんなキャラたちをしっかり使い分けて患者の抱える事件を解決しつつ、総合的な治療を行うというストーリーです。
しかもストーリー展開はスピード感があって、キャラも立っているし、伏線回収はスマートだし、ちょっとしたラブコメもあるしで、まさにエンタメミステリ―のお手本のような感じ!
読みやすさと医療業界の権力的ドロドロ感のバランスがよい作品なのでけっこうドラマ向きかも!と思っていたら、2019年1月よりドラマ化されました。
文章でもわりと情景が浮かんできやすい作品です!おすすめ。
続編情報!知念実希人『神酒クリニックで乾杯を』シリーズの読む順番!
続いて、知念実希人『神酒クリニックで乾杯を』シリーズの読む順番についてまとめていきます。
現在、『神酒クリニックで乾杯を』シリーズとしては以下の2巻が刊行中です。
各巻の簡単なあらすじについてまとめていきます。
1.神酒クリニックで乾杯を(2015年10月)
シリーズ第1巻となる『神酒クリニックで乾杯を』では、主人公が神酒クリニックに入り、そこにいる個性的な面々と出会い、その病院のミッションを知る、という導入篇に当たる部分となります。
ストーリーとしては、酔いつぶれて医療ミスを犯した(本人記憶なし)ことで勤めていた病院を首になった主人公が、知り合いの紹介で神酒クリニックの面接にやってくるも、その病院はVIP専門の秘密裏に治療を行う闇医者集団で・・・という物語。
彼らの助手として採用された主人公が、個性的な仲間たちとともに患者の抱える課題を解決していきます。
第1巻では死期の迫った大臣から孫を殺した相手を探してほしいという依頼を受け、その調査を行っていく内容。その調査の中で主人公の過去に関わる問題にも言及され・・・
という感じ。
ちなみに「知念先生・病院」と来ると、天久鷹央シリーズを思い浮かべる人も多いかもですが、きっちり鷹央先生のお兄さんも出てきたりします。
2.神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶(2016年4月)
シリーズ第2巻となる『神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶』では、秘密の会員制医院「神酒クリニック」に患者としてやってきたのは記憶喪失の女性。
一方街ではビル爆破事件が多発しており…調べていくとどうやらその記憶喪失の女性がかかわっているようで、なぜ彼女は記憶を失ったのか、そして犯人たちのビル爆破の目的とは・・・?
を探っていくストーリー。
第1巻と同様の面々が今回も引き続き登場し、キャラの特性もますます発揮されるシリーズ第2巻です。特に第2巻では精神科医の天久翼にフォーカスしています。
神酒クリニックで乾杯をシリーズの感想レビュー!お手本のような医療エンタメ良作だと思う!
続いてはシリーズ2巻を読破して感じた個人的な感想レビューです。
自分の感想としては「医療エンタメミステリ―のお手本のような作品だ」と思いました。
何故かというと、様々なタイプの読者をきっちり引き付けるための手法が作品を通して練り込まれているため。
例えば主人公の設定として、実力のある有名医院のエリート医師だったが、とある事情で転職活動中というもの。
そしてそんな主人公がやってきた神酒クリニックは、看板こそ出していないものの、スタッフたちが内科、外科、精神科、産婦人科のエキスパートたち。
主人公は助手としてついていくのがやっとです。
で、一気に出てきた濃すぎるキャラ達の特技を活かすエピソードを散りばめつつ、主人公と絡んでいくことで親しみを持てるように工夫されているんです。
こんな感じ。
- 九十九勝己…主人公。格闘技プロライセンス持ち。
- 神酒章一郎…主人公と格闘技つながりでより強い。師匠枠。
- 一ノ瀬真美…主人公が一目惚れして彼女がよくくる喫茶店に朝食のコーヒーを飲みにいったりする。ヒロイン枠。
- 夕月ゆかり…主人公と一ノ瀬真美の関係を生暖かく見守る。お姉さん枠。
- 天久翼…人の心を読める精神科医。見た目は子供。よく夕月ゆかりを年増とからかい折檻を受ける。
- 黒宮智人…うつ傾向のある内科医。翼のカウンセリングを受ける。
すごいのが、主人公とかかわりが薄いキャラは別のキャラ同士での絡みを増やしたり、特技を使ったりして全体として読者の印象が全員にいきわたるように工夫されている点。
これによりキャラが多いのにすんなり頭に入ってくる点がキャラ多い作品のコツだなと思いました。
で、キャラもわかってきて後半になると、主人公たちはちょっと大きな事件に関わっていきます。
ここでも謎解き要素だけでなく、スピード感のある展開でさらに広げていくのがポイント。
例えば、犯人とのカーチェイスがあったり、読唇術や格闘技で難局を解決したりと、クリニックの面々の個性を活かしたチームワークを発揮します。
そして次第に真相に近づきつつあるとき最大のピンチが訪れ、それを意外な方法で解決!
というミステリーとしてのオチもあり、物語は最終局面へ。
犯人を捕らえてハッピーエンドではあるものの、大物は敢えて取り逃す(次への伏線)などしつつ、被害者に精神的な救いを与えるエピローグがあって読後感をよくします。
このとき主人公の抱える問題もきれいに解決し、伏線回収もばっちりしたあと、主人公はヒロインとあまり距離を詰められないもののちょっとだけ進展を促すようなエピソードが入ったりしてキャラの魅力を高めます。
ここまでが第1巻。第2巻に入っても展開自体は大体同じで、よりキャラの魅力を高めつつ、違ったエピソードを挿入していきます。
第2巻では第1巻で出番の少なかった黒宮智人の役割を増やし、第1巻から大活躍すぎるもチート過ぎて人間味の薄かった天久翼に人間的エピソードを加えたりしてキャラの魅力をさらにアップ。
第1巻では、昔取った杵柄の格闘技で無双していた主人公も元ボクサーにストリートファイトで敗れたりと挫折もあり!
さらに担当する事件も連続爆破事件とスケールが大きくなり・・・
そんな感じで読者の心をつかんで離さないようにするための工夫がめっちゃふんだんな作品でした。
DVD発売!『神酒クリニックで乾杯を』のドラマ化情報
最後にドラマ化情報について紹介します。
知念実希人『神酒クリニックで乾杯を』ドラマ化情報としては、2019年1月12日から毎週土曜夜9時から放送が開始。
キャストとしては、主人公の九十九勝己役に三浦貴大を起用しています。
◆主なキャスト
- 九十九勝己 – 三浦貴大
- 神酒章一郎 – 安藤政信
- 一ノ瀬真美 – 山下美月(乃木坂46)
- 夕月ゆかり – 松本まりか
- 黒宮智人 – 柳俊太郎
- 天久翼 – 板垣李光人
- 三森大樹 – 竹中直人
- 新庄雪子 – 臼田あさ美
- 竹林刑事 – 品川祐(品川庄司)
- 佐野まりあ – 小室安未
DVDも発売中!豪華NG集なども収録とのこと!
終わりに!『神酒クリニックで乾杯を』の翼の妹が登場する天久鷹央シリーズもぜひどうぞ!
ここまで、知念実希人『神酒クリニックで乾杯を』の読む順番とあらすじについてまとめてきました。
ドラマ化でますます話題となる可能性の高い作品なので、軽く読める医療系ミステリーをご所望の方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
ちなみに本シリーズで登場する精神医療医師の天久翼は、なんと著者の別シリーズ・天久鷹央シリーズの推理カルテシリーズの主人公の兄!
ぜひ世界観のつながっている天久鷹央シリーズも読んでみましょう!
ではまた、良い読書ライフを!
という機会は本好きには多いかと。
そこで本サイトでは300シリーズの小説のあらすじと読む順番を一覧で紹介しました。
さらに番外編情報、ドラマ化情報、漫画化情報も併せてまとめました!
この機に他のシリーズ本の読む順番を、確認してみてはいかがでしょうか。